寄 稿

第38回 村民登山大会を終えて

【那須峠の茶屋登山口〜スダレ山〜赤面山〜赤面山スキー場登山口まで 強風の中 無事!全員!完歩!】

2009/09/20

登山隊長 和田 豊彦【西郷山岳会】

登山隊長という重責を拝命し、開会式終了後 村長さん・議長さん・教育長さん・体協会長さん等のお見送りを戴いて総勢60名 大型バスとマイクロバスに分乗して文化センターを定刻に出発した。

車窓からは、雲の流れが速いのと稜線がガスで見え隠れして、不安な予感を抱いたのは私だけではなかった。

 

那須峠の茶屋登山口より、先行隊に続いて1班から5班が班長・副班長に誘導されて、順次スタートした。

峰の茶屋跡の避難小屋は見えているが、強風で引き返して来た登山者と会話、高度を増す度に『風の叉三郎』?が暴れている様子が感じられた。安全登山の敵は正にこの『風の叉三郎』?と思い、静まることを祈った。

朝日岳の肩までの稜線の状況を先行隊より得ようとするが、強風でトランシーバーの交信もかき消されてしまい、「もしもの事」を案じ私は『撤退の覚悟』をした。

 

今度は2班が先頭で稜線に取り付いたが、目の前で1班の女性が帽子を飛ばされた。幸い近くの崖の下で止まり、皆の気遣いと声援のなか回収に成功。苦しい時ほど皆の支えが力を発揮するものだ。

そしたら風向きが変わりクサリ場の登りも意外と影響なく、各班長からの応答も元気だったので安堵した。

最初の難関「朝日岳の肩までの稜線」を全員無事通過し、ベンチ等で大休憩を取って体調を整え、今度は3班が先頭になって出発した。

紅葉は始まったばかりだが、「清水平」から振返り見上げた「熊見曽根」の山腹は、『素敵!』と歓声が上がった程の色付きで、リンドウの花を愛でたりガンコーラの実を摘んで食べ、自然と親しんでいる姿があった。

スダレ山頂を過ぎて風を避けた登山道の脇で早いお昼としたが、班ごと・家族ごと和気あいあいお弁当に舌つつみをうち、あるグループは「焼肉パーティー」で盛り上がった。

 

体が冷えない内に!と今度は4班が先頭で下山を開始し、第二の難所「前岳へのガレ場」をトラロープにつかまって無事通過、赤面山の山頂で記念の集合写真をパチリ!強風の様子が写っているかな?楽しみだ。

ここからは5班が先頭で下界を眺め、我家を探しながら下山。スキー場の最高部で休憩を取ってザレ場で転ばないよう歩幅を狭くして慎重に下山開始した。でも何人かが尻餅を着いたが怪我なく一安心。ゴールには笑顔笑顔が集まり、閉会式が開催された。

 

強風で展望を楽しむ休憩が少なかったのは申し訳なかったが、予定より一時間も早く『無事・全員・完歩』した事は、皆の協力と助け・支え合いの賜と、拍手で祝いあった。

救護担当のT嬢も、1から5班の中間に入って頂いたが、いつ起こるか判らない事態にハラハラ・ドキドキの連続だったと思う。・・・お疲れ様でした。

最年少9才のSちゃんと最高齢80才のS殿には、特別賞として『頑張ったで賞』を皆の拍手で贈った。

 

今日の疲れをちゃぽランドで癒し、自分の体を褒めてあげてくださいとお願いし、自宅に帰って筋肉痛になった方は『体力増進』が図られた人、なんでもなかった方は『体力維持』、体重が増えた方は『お昼弁当の食べ過ぎ・メタボ候補』と判定基準を紹介して講評に代えさせて頂いた。

また、@今日の強風 怖かった?と訊ねたら数人が挙手、『福島は福の島かと来てみれば、福はふくでも風の吹く島』と言われ、中でも西郷の風は半端でない事を日々体験しているから「怖くない」人が多数だった訳だ。

A今日の登山 楽しかった? Bまたどこかの山を登りたい? と訊ねたらワーと挙手があり、『良き想い出に!』とお願いし、Aの笑顔は企画・準備をして下さった役場・関係部門の方々が一番喜んでいることであり、Bは西郷山岳会へ是非入会を!と歓迎の意を伝えて、登山隊長として重責を果たせた事への御礼の言葉とした。

 

今回の様な村をあげてのイベントの狙いは、ふるさとを愛する心を養い、村民一人一人の健康と連帯感の増進を図り、もって村民一人一人が幸せを築き、医療費の低減を図って、活力ある『村づくり』の一環であることを理解し合いたいと思っています。

最後にゴミの持ち帰りはOKでしたが、那須連山はどのコースもトイレで悩むことが多く、自然に返しているのが実情だ。早急に『簡易トイレの持参』を義務付けするよう啓蒙活動をしたいと思います。(文責 和 田)

 

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写真1枚目 朝日岳途中 長い列  2枚目清水平から朝日岳を望む 紅葉見ごろ  3枚目スキー場くだり もうすぐゴール