2008年8月30日
立山・剱岳山行報告

  夏休みを利用し、剱岳に挑戦しようと5月に決定する。
 難度が高い山だけに、計画を練り、訓練を行い当日に望んだ。

日程: 2008年8月8日(金)〜12日(火) 5日間  (初日は夕方出発)
山域/山名: 立山・剱岳
参加者: 薄葉正雄、薄井隆志、薄葉恵子、菊地正良、菊地美智子 (5名)
コースタイム:
8/8(金) 新白河19:18 ⇒ 東京20:45 ⇒ 新宿 21:15 ⇒ 新宿発22:30
8/9(土) 室堂(準備)7:00〜7:40 ⇒ 一の越 8:45〜8;55 ⇒ 雄山 10:05〜10:30 ⇒大汝山11:05 ⇒ 富士ノ折立(昼食) 11:30〜12:00  ⇒ 真砂岳 12:40 ⇒ 別山 13:30〜13:40 ⇒ 剱沢小屋 14:40
8/10(日) 剱沢テント発 4:00 ⇒ 剱山荘 4:25〜4:35 ⇒ 前剱 6:10 ⇒ 剱岳山頂 7:50〜8:25 ⇒ 剱山荘 11:40〜12:00 剱沢小屋テント 12:40
8/11(月) 剱沢テント発 5:00 ⇒ 別山乗越 6:00〜6:10 ⇒ 雷鳥平 8:00〜8:20 ⇒ みくりが池 9:00〜10:20 ⇒ 室堂10:35 ⇒ 黒部ダム 11:35〜11:45 ⇒ 扇沢 12:30 ⇒ 信濃大町 13:30 ⇒ 松本 14:40
8/12(火) 松本 11:08 ⇒ 新宿 ⇒ 東京 15:45 ⇒ 新白河

活動内容:
8日、仕事終了後、新白河19時18分発の新幹線に乗る。期待に胸を膨らませる。
20時45分東京へ到着。中央線で新宿へ行き、夜行バス乗り場まで歩く。東京はもの凄い暑さで長い時間いたら、体調を崩してしまいそうだ。
22時30分、予定通り夜行バスは新宿を出発。思ったより狭く眠れそうにない。
23時30分くらいにバスの照明は消されたが、目を閉じているだけである。体の置場もなく、ひたすらバスが到着するまで耐えるしかないと言った感じ。
翌朝、7時に室堂到着。だるい体とは正反対に雲一つない良い天気である。室堂の清水で美味しい水を汲み、朝食を取り、準備体操を行い、7時40分出発。すでに、列をなして登山者が歩き出している。さすがにアルプスの山だ。登山道脇にはチングルマ、イチゲなどが咲いている。小さな雪渓を2、3回越え、1時間程で一の越へ到着。素晴しい景色である。
トイレと水分補給を行い、雄山向けて出発。岩山に太陽がギラギラと当たり、だるい体に汗が染み出る。途中、休憩を取り展望を楽しみ、再び歩き出す。子供の姿もちらもら見え、あんなに小さな子供も頑張っているのだから...と自分に言い聞かせ、やっと雄山山頂へ到着。山頂で祈願料1人500円で祈願をして貰いお神酒を頂き、山中の安全を祈る。
10時30分、雄山を後にする。そこからは子供達の姿も消え、剱の山に一歩踏み出した感じだ。立山最高峰の大汝山、続いて富士ノ折立で昼食を取り、再び足を進める。その頃から、急に東側だけ、雲が湧き出してきた。そう思ったら、雷まで遠くで鳴り出した。急ぎ足でアップダウンを繰り返しながら真砂岳、別山へ向う。こんな高い所で雷に会ったら大変だ。やっと別山に着いた頃に、また雲が切れ始め、どうやら雷はこちらには来ずに遠くへ行ってくれたらしい。良かったと心の底からホッとした。剱岳も堂々と姿を現している。稜線から剣沢小屋に向けての近道を下山開始。岩に小さな子砂利が乗ったすべりやすい所を急下降する。気が抜けない。しかし、どんどんテント場が近づいて見えてきた。かなりの所まで降りてきたら、お花畑にチングルマが盛りに咲いていた。
やっと今日の工程は終わった。14時40分剱沢テント場へ到着。
小屋で仕入れたビールで今日1日の山行に乾杯し、明日の剱岳登山の成功を祈った。テント場には美味しい冷たい清水もあり、最高の場所であった。夕方のくっきりとした剱岳のシルエットを眺めながら、18時40分就寝。
夜中、1時30分に目が覚めて外に出たら、満天の星空、くっきりとした剱岳も見え安心して二度目の床に着いた。
9日、3時起床。4時に準備を整え出発。
剱山荘4時25分着。トイレを済ませ、4時35分、いよいよ憧れの剱岳へ向けての登山開始。一服剱手前で日の出を迎えた。一服剱を通過し、前剱に進む。鎖場も現れ、本格的な岩登りに入ってきた。訓練で薄葉さんから教えて頂いた様に、カラビナを鎖に掛けて進みまた、足場を安全に確保した所で次の鎖にカラビナを掛け替えという方法を繰り返し行いながら進んだ。前後に多くの登山者はいたが、渋滞というほどにはならず、ちょうど良いペースで足を進める。前剱に6時10分到着。水分補給、行動食を取る。素晴しい眺めを堪能しながら、山頂までの無事を強く祈る。
いよいよ、クライマックスの蟹のタテバイである。下は見ないように、目の前の岩と鎖を安全に進める事だけを考えた。無事クリア。そこから少し、行った所が頂上であった。やった、無事に剱岳山頂に来る事が出来た。5人全員で登頂を喜び合った。
山頂からの絶景を楽しみながら、朝食か昼食かわからないけど、食事を取った。本当に良かった、良かった。そして皆にありがとうの気持ちで一杯になった。
30分程、頂上を楽しみ、下山開始。まだ、気は抜けない。逆に下る方が危険である。慎重に下らなければ...更に気を引き締める。
安全第一の呪文を唱えながら、下っていった。蟹のヨコバイは思ったより大丈夫であったが急な梯子の取り付きが一番怖かった。
前剱、一服剱と越え、剣山荘へ到着。ビールでの乾杯は最高の気分だった。20分程、山荘での夢気分を楽しみ、剣沢に向けて出発。心に余裕が出たので、お花畑で写真をゆっくり撮りながら進んだ。
テント場へ12時40分着。更にビールで乾杯し、夕方まで、和やかな宴会をたっぷり楽しんだ。剱岳のシルエットを眺めながら19時就寝。
翌朝、3時起床。朝食を済ませ、テント撤収し、5時出発。別山乗越に6時着。剱岳の眺めもここまでと思うと寂しかった。直接、雷鳥平には降りずに、大日岳側を回り込んで下山した。
3日目も素晴しい天気に眺望とお花畑を十分に楽しんだ。8時雷鳥平、テント場着。休憩を取り、地獄谷経由でみくりが温泉に到着。温泉で3日間の汗を流した後の生ビール、温泉卵は最高だった至福の時とはこの様な時だと思った。室堂までの道はまさに観光地といった感じで凄い、人、人、人であった。
3日前に出発した室堂に戻り、なんだか寂しい気持ちが更に膨らんだ。室堂から、大観峰、黒部平、黒部湖、黒部ダム、扇沢へと、トロリーバス、ロープウェイ、ケーブル、トローリーバスを乗り継いで戻って来た。そこから、バスで信濃大町に出て大糸線で松本へ出て、駅ビルの食事処で最後の宴会を楽しんだ。
松本に宿泊し、12日、新宿から東京に出て、新白河へ15時45分到着。
全体感想
剱岳という私にとっては岩山の難度の高い山を挑戦するという事で不安もあったが、事前準備、訓練を積んだ事で、ずいぶん不安は取れた。更に当日の実践もアドバイスを頂きながら落ち着いて進める事が出来た。その分、頂上に着いた時には他の山よりも喜びと感動でいっぱいになった。山の中は3日間であったが、それ以上の充実感が溢れる山であった。皆と一緒だったから登れた山であり、本当に感謝したい。
人生の中でも、事前準備をし、訓練すれば出来る事がたくさんあると思った。

記:菊地美智子



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