2008年5月10日
屋久島・開聞岳登山報告書

日程: 2008年5月1日(火)〜5月5日(木)
山域/山名: 宮之浦岳・開聞岳
参加者: 藤井宗次、藤井富子、薄葉正雄、薄葉恵子、薄井隆志、菊地正良、菊地美智子 (7名)
コースタイム:
5月1日 新白河 19:15 ⇒ 東京 20:44 ⇒ 穴守稲荷(ビジネスホテル)21:30 
5月2日 穴守稲荷 5:22 ⇒ 羽田着(朝食)5:35 ⇒ 羽田空港発 6:55 ⇒ 鹿児島空港 8:40〜9:10 ⇒ 鹿児島港(昼食)10:20〜13:10 ⇒ 宮之浦港 14:55 ⇒ 淀川登山口 16:40〜16:50 ⇒ 淀川小屋 17:40
5月3日 淀川小屋 4:00 ⇒ 花之江河(朝食)5:55〜7:00 ⇒ 投石平 7:50〜8:10 ⇒ 宮之浦山頂(昼食)10:00〜10:50 ⇒ 坊主岩 12:40〜12:55 ⇒ 新高塚小屋 14:00〜14:30 ⇒ 旧高塚小屋 15:30
5月4日 旧高塚小屋 5:30 ⇒ 縄文杉 5:45〜6:00 ⇒ ウィルソン株 7:10〜7:20 ⇒ 大株歩道入口 7:50 ⇒ トロッコ道終了 9:30 ⇒ 辻峠 10:30〜10:45 ⇒ 白谷広場 12:30 ⇒ 白谷広場バス発 13:30 ⇒ 宮之浦港 14:00〜16:30 ⇒ 指宿港 18:20〜18:30 ⇒ 指宿シーサイドホテル 19:00
5月5日 指宿シーサイドホテル 7:50 ⇒ 開聞岳登山口 8:30〜8:40 ⇒ 開聞岳山頂 11:20〜11:30 ⇒ 開聞岳登山口 13:40〜14:00 ⇒ 鹿児島レンタカー 15:30 ⇒ 鹿児島空港15:40〜16:15 ⇒ 羽田空港17:55

活動内容:
5月1日、仕事後19時15分の新幹線で東京へ向う。皆、期待に胸を膨らませ、いきいきとしている。東京20時44分着。山手線で品川へ出て京浜急行で羽田空港2つ手前の穴守稲荷まで移動する。そこから歩いてすぐの、ビジネスホテル梅月にコンビニで買物を済ませ21時30分くらいに到着。即、山行の成功と安全を祈り、宴会を開催。23時でほどほどにして宴会は切り上げ、就寝。
2日、朝4時30分起床。穴守稲荷5時22分発の電車に乗り、5時35分羽田空港着。    
早々に手続きを済ませ、6時開店の食堂に入り、朝食を取る。6時55分発、鹿児島空港行きの飛行機は予定通り出発。更に、心が高まる。鹿児島空港が近づき、高度を落として行くと桜島がくっきりと見えてきた。お天気も良く、最高の空からの眺めだ。8時40分、無事、鹿児島空港着。そこからバスに乗り、鹿児島港近くのバス停まで移動。途中、コンビニで買物(ガスボンベ、夜食、朝食など)をしながら港まで歩く。荷物を待合室に預け、散策へと繰り出す。桜島が目の前に見え、ロケーションが最高の場所だ。お土産屋さんと隣り合った食堂で生ビールで乾杯し昼食を取る。山の中でのおつまみも仕入れ準備はOK。13時10分発のトッピーに乗り、宮之浦港へ向う。最終日に登山予定の開聞岳も遠くに見える。宮之浦港14時55分着。予約していたジャンボタクシーに乗り換え淀川登山口へ向う。5月とは言え、さすが南国。まるで、東北では夏といったところだ。途中までは海岸線を走る。海の景色に見飽きる事はない。一番、印象的だったのは、道路脇のお墓が花がいっぱいで明るい雰囲気だった事。運転手さんに聞いたら、信仰が濃く、ほとんどの家の人が毎日、お墓参りに 行くとの事だった。1日3回、行く人もいるとか。凄いなと思った。宮之浦空港を過ぎ、しばらく走ると、山の方へ曲がり、蛇行を重ねながら高度を上げていった。道路脇には滝、沢なども現れ、雨の多い地域である事が伺える。紀元杉の場所から少し走り、16時40分淀川登山口へ到着。身支度を整え、出発の記念撮影をし、50分に出発。木の根が張り出した樹木の生い茂った薄暗い道を50分ほど歩いて、淀川小屋に到着。さっそく、小屋のすぐ脇のテント場へ良さそうな所を見つけ、4張り張った。小屋にも登山者はいたが、凄い込みというほどではない。4張りの中心あたりで持ち寄ったお酒、つまみで宴会開始。明日の出発は4時と決めたので、それぞれ21時くらいに就寝。
9730.JPG - 268,162BYTES
*淀川登山口        

32DD.JPG - 189,141BYTES
*山頂にて

3日、3時起床、テント撤収を行い、4時にヘッドランプを付け、藤井さんを先頭に出発。最初は足元を照らし、確認するのがやっとであったが1時間くらいすると、薄明るくなった。休憩を取り、ヘッドランプを外した。空は雲一つ無く、今日も天気は良さそうだ。花之江河へ5時55分着。湿原があり、開けていて雰囲気の良い所だ。お湯を沸かし、味噌汁を作り、ゆっくりと朝食を取り、7時に出発。すっかり、夜が明けて明るくなり、周りの山を眺めながら50分歩くと、投石平へ到着。
巨大で滑らかな石がたくさんあり、腰掛けて休憩するには最適な場所だ。辺りには白い花も今が盛りと咲いている。シャクナゲはまだつぼみだったが多く群生していて、咲いたら凄く綺麗だろうなと想像する。20分ほど休憩し、8時10分に出発。
気持ちの良い、比較的歩き易い道をどんどん進んでいく。気分は爽快だ。辺りの山は独特な感じで大きな石がオブジェのように、微妙なバランスで山に貼り付いている。落ちそうで落ちない。崩れそうで崩れない。不思議な景色だ。投石岳、安房岳、扇岳の西側を通り、最後の一登りを踏ん張り、しばらく緩やかに進むと、そこが頂上。10時ちょうどの到着となった。すでに、何パーティかの人が休憩していた。高塚小屋側から、登って来られた人も多い。山頂からの眺めはヤクザサの黄緑と点々とある岩に覆われた永田岳を目の前にする事が出来、最高である。記念撮影をし、回りの景色を思い思いに写真に収めた。昼食を取り、10時50分、高塚小屋に向けて出発。それにしても、素晴しい眺めで下るのがもったいないなと思いながら、足を進める。永田岳分岐を後に、平石を通り、坊主岩に12時40分着。15分休憩し、55分出発。周りの山も背の高い樹林へと変わり、頂上近辺の山とは違った雰囲気になっていた。ヒメシャラの赤い肌も多くなり、りっぱな太さのものが目立つ。
14時新高塚小屋へ到着。結構、疲れた。今日はここまでとするか、もうひとつ先の旧高塚小屋まで行くか、リーダーの薄葉さんを中心に検討。テントを張る場所も偵察したが地面がどこもジメジメとした感じである。薄葉さんの旧高塚小屋まで行こうの一言で14時30分、再び、最後の力を搾り出し、歩き出した。全員、もくもくと歩いた。15時30分、旧高塚小屋着。やっと着いたといった感じである。まだ、テントを張っている人はいない。板張りの休憩所で体を投げ出して休んだ。もう、今日は歩かなくて良い。ほっとした。荷物を置き、10分くらい先の縄文杉水場まで水を汲みに行き、初めて縄文杉に対面した。さすがに凄い幹である。樹齢7200年とか。こぶが盛り上がり、杉の肌ではないような趣である。長年の雨、風に耐えてきた姿が伺える。再び、板張りの休憩所まで戻り、暗くなってから上段に2張りテントを張る事にする。下の段は宴会場とする事に決めた。残り2張りはすぐ脇の地面に張った。鹿児島港で仕入れたつまみ、お酒、各自しょい込んだものを持ち寄り、宴会開始。素晴しかった景色とお天気に恵まれた事に感謝をし、20時過ぎまで話は尽きなかった。(後から知ったのだが、板張りの休憩所はテントを張るのに最高の場所で毎回、ガイドさん達もそこを狙って登ってくると言っていた。)21時それぞれに就寝。

DE56.JPG - 209,293BYTES
縄文杉

623F.JPG - 270,751BYTES
*永田岳をバックに

4日、4時起床、朝食を取り、テントを撤収し、5時30分出発。歩き出してすぐに、樹林の間から太陽が顔を出した。今日もお天気は良さそうだ。急な階段を下りると昨日も対面した縄文杉の舞台である。朝日が杉に当たり、赤い肌がまた違った趣となっていた。じっくりと眺め、全員で記念撮影をした。居合せたガイドさんにお願いしたら、寝転がって下から最高のアングルを狙ってくれた。縄文杉、6時に出発。木の根が張り出し、階段が多く、こちら側から登ってくる人もたいへんだろうなと思えた。夫婦杉を通り、ウィルソン株に7時10分着。切り株の中にも入ったが相当な太さである。どうやって切ったのかが凄く不思議であった。その頃から、縄文杉に向って登ってくる登山者にちらほら、すれ違い始めた。大株歩道入口(トロッコ道出合)7時50分着。そこまで、出たとたん、あまりの人の多さにびっくり。列をなして歩いてくる。登り優先の為、歩き易い木道の部分はほとんど歩けないくらいの人、人が次から次へと湧いてくるような感じだった。仁王杉、三代杉を過ぎるとすぐ、白谷山荘への分岐に曲がった。そこからは登山者はあまりいなくなった。するとさるが突然1匹、2匹、3匹...と現れた。いたずらされたら大変なので目を合わせないようにしていたら、いつの間にか奥の方へ行ってしまった。苔むした独特の雰囲気である。辻峠までは急登の為、結構疲れた。白谷口から辻峠まで入る観光客でそこから先も再び凄い人、人、人となった。峠休憩場所で15分間行動食休憩を取る。再び歩き出し、沢沿いの道となったが登って来る人は途切れる事はなかった。千と千尋の神隠しの舞台となった場所で全員で記念撮影し、さつき吊橋を12時15分に通過し、12時30分白谷広場へ到着。臨時バスの時間が13時30分である事を確認し、列に並んで順番を取る。トイレに行ったり、辺りの景色を楽しんでいると1時間はあっという間に経った。バスに乗り、約30分で宮之浦港着。
近くの喫茶店でトビウオの燻製をつまみに生ビールで乾杯。何とも言えない充実感でいっぱいだった。良かったね、良かったねの声が波紋した。その後、お土産を購入し、16時30分発のトッピーで指宿港に向った。途中、種子島を経由し、18時20分指宿港着。予約していたタクシー2台に分かれて乗り、1台はホテルへ直行し手続きをする組、1台はレンタカー経由で車2台を手配する組に分かれた。19時過ぎくらいにホテルで合流し、お風呂で汗を流した後、待ちに待った豪華な宴会となった。並んだたくさんの料理を、山の中の質素な食事を帳消させようと、思い切り残さず食べた。どれも美味しかった。何事も無く安全に下山出来た事、お天気に恵まれ楽しく過ごせた事に感謝し、話は尽きなかった。久しぶりのふかふかな布団も嬉しかった。


5日は昨日までの天気が嘘の様に、雨となってしまったが7時から朝食を取り、8時前に開聞岳登山口に向けて出発。8時40分、降りしきる雨の中、レインウエアに身を包みスタート。まあ、1日くらいの雨はしかたないか。今まで良かったのだからと自分に言い聞かせた。細かく何合目、何合目と標識がついていたので、ペースはつかみやすかった。しかし、楽な山と勝手に頭に描いていたのとは違い、岩、梯子などもあり、それなりに登りがいのある山だった。甘く考え過ぎていた。
11時20分頂上着。その頃になると下山時間、移動して飛行機の時間が気になりだし記念撮影だけをして、すぐに下山した。頂上はガスで何も見えなかった。残念。途中、簡単に昼食を取り、とにかく急ぎ足で歩を進めた。13時40分登山口着。濡れたレインウエアと登山服を車の脇で急いで着替え車に乗り込んだ。鹿児島空港に向け約130キロ先目指して出発。一般道、指宿スカイライン、高速道路と乗り継ぎ、15時30分レンタカー着。なんとか間に合った。ほっとした。そこから、レンタカー会社に空港まで送ってもらい15時40分空港へ無事到着。急いで手続きを行い、荷物を預け、搭乗し、16時15分離陸となった。私達、2人はレンタカーで5名と別れ、えびの高原へ向った。5名は羽田空港から東京に出て新幹線で新白河へと帰った。
全体感想
屋久島は雨の非常に多い山として知られているが、山中3日間とも天気に恵まれ快適なテント泊を楽しめた事は本当に良かった。又、屋久島の独特な山並も十分に目に焼き付ける事が出来、大満足であった。
開聞岳は楽な山と勝手に描いてしまい、時間との戦いになってしまったのが反省として残るが、無事に時間に間に合うよう下山出来たので良かった。今度からは少し、余裕を持って計画するようにしたい。
記:菊地正良・美智子